人間を元にした実験!実話を元にした映画も紹介!

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みなさん〔青い目茶色い目〕の話はご存知?

人種差別体験授業のことです。

1968年4月、アメリカ北西部のアイオワ州・ライスピルの小学校で人種差別についての実験授業が初めて行われました。
マーティン・ルーサー・キング牧師の暗殺がこの授業を始めるきっかけになったそうです。

小学3年生の担任であるジェーン・エリオット先生には、「子どもたちを差別意識というウイルスから守りたい」という切なる思いがありました。
クラスを青い目と茶色い目の子どもに分け、初日は「青い目の子はみんな良い子です。
だから5分余計に遊んでもよろしい」「茶色い目の子は水飲み場を使わないこと。茶色い目の子はダメな子です」 このように青い目の人は優れ、茶色い目の人は劣っていると決めて1日を過ごす。
対して、翌日は茶色い目の人は優れ、青い目の人は劣っているとして生活する。

目の色で子ども達をわけると、たちまちそこに社会の縮図が出来上がったと言います。

付随実験として、実験授業の2週間前と授業をしている2日間、そして授業の2週間後に国語と算数のテストを行ったところ、 子どもたちの点数は優れているとされているときに最高で、劣っているとされている時に最低を示したそうです。

ここから色によって差別するのは間違っているということを先生は生徒に教えました。

 

このような実験は他にも!

 

スタンフォード監獄実験

1971年8月14日から1971年8月20日まで、アメリカ・スタンフォード大学心理学部で、心理学者フィリップ・ジンバルドー (Philip Zimbardo) の指導の下に、刑務所を舞台にして、普通の人が特殊な肩書きや地位を与えられると、その役割に合わせて行動してしまうことを証明しようとした実験が行われた。模型の刑務所(実験監獄)はスタンフォード大学地下実験室を改造したもので、実験期間は2週間の予定だった。

新聞広告などで集めた普通の大学生などの70人から選ばれた被験者21人の内、11人を看守役に、10人を受刑者役にグループ分けし、それぞれの役割を実際の刑務所に近い設備を作って演じさせた。その結果、時間が経つに連れ、看守役の被験者はより看守らしく、受刑者役の被験者はより受刑者らしい行動をとるようになるということが証明された。

 

このストーリーは映画にもなってます!!

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『エクスペリメント』

 

 

これもこれで面白いマインドコントロールされてしまうお話!

THE WAVE ウェイブ

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民衆がいとも簡単にマインドコントロールされてしまう。こんな過程を鮮明に示したある実験学習がアメリカの歴史教師によって行われたことがありました。

1969年、ある高校教師が、歴史の授業でナチス支配下のドイツにおける全体主義を教えようとしていた。彼は講義で映画を見せて全体主義を説明したが、学生たちは、ドイツの民衆がなぜヒトラーについていったのか、なぜだれもナチの行動を批判できなかったのかが、まったく理解できないという様子であった。そこで、その高校教師はある試みをおこなった。

教師は、生徒に「規律と力を作り出せることを証明しよう」と提案し、姿勢、持ち物から、先生に対する呼び方、質問の仕方や答え方などについて細かく規律をつくり、軽いゲームのつもりで守ってみるように指導した。はじめ教師は嫌がられるのではないかと懸念したが、ふだん自由な雰囲気で教育されてきた生徒たちは、嫌がるどころか競争心をもって規則に従おうとした。不気味なことに、生徒たちは規則を覚えるたびに、つぎの規則を欲してゆき、授業終了のベルがなり終わっても、彼らはその規則を続けようとした。もはやゲームではなかった。

つぎの歴史の授業においてもそれは続いていた。教師はとても驚いたが、そこでやめようとはいわずに、逆に彼は「規律の他に、共通の目的のためにはたらく共同体に参加しなくてはならない、この運動を『ザ・ウェーブ』とする」と主張した。さらに「この運動の信念に従って行動することが力を得る」と主張した。生徒たちは、運動の旗印を作り、運動員章をつくり、この運動はクラス外の人びとにまでものすごい勢いで広がっていった。

この教師の教科学習の試みは、とどまることを知らず、数日間で全校の生徒たちに浸透していった。ナチスの運動とそっくりであった。彼らは、自分たちの自由と交換に、メンバー間の平等と「ザ・ウェーブ」グループに入っていない人に対する優越を得て、差別をし、攻撃をした。また彼らは、この運動はちょっとしたゲームであり、いつでもやめられるつもりでいた。しかし、やめようという者はほとんどいなくなり、そうした者は密告され、制裁を受けることになっていった。

結局、この歴史教師は、メンバー全員を講堂に集め、テレビ画面を用意し、もう一度、ヒトラーの映画を見せ、自分たちのやっていることがナチスと同じであったことを示し、だれでもが第二のナチになって歴史が繰り返される危険性のあることを説明した。

生徒たちは愕然として目が覚め、軍隊調の姿勢をくずし、軍旗をすてた。